都立多磨霊園に、本小松石自然石のお墓が完成しました。自然石の力強さを感じる、存在感あるお墓
こんにちは。本小松石のお墓を、産地の湯河原町にて製作しています、菅井石材の菅井です。
本日は、都立多磨霊園に完成した、本小松石自然石のお墓をご紹介致します!!
都立多磨霊園 本小松石自然石のお墓
1年以上前に、ホームページをご覧になった方から「自然石のお墓を作りたい」というご相談をメールでいただきました。多磨霊園に墓地をお持ちということでしたので現地を下見に行き、大体のご提案図を作成してお見積りも差し上げていました。その後音沙汰がなく、「どうされたかな…?」と気になっていたのですが、1年ほど経った数カ月前にまたご連絡をいただき、「またお墓作りを再開したい」ということで、本格的にお墓作りに取り組むことになりました。
さっそく現地の多磨霊園でお会いして、再度詳しくお話を伺いました。お墓については、「背の高い、自然石のお墓を作りたい」というご希望で、まずは墓地の寸法に合う自然石を探すことから始まります!
丁場(石の採掘場)で石を探します。たくさんある石の中から、竿石としてサイズ感の良いものを5つほどピックアップしました。(普段はなかなかちょうどよいものが見つからないのですが、今回は奇跡的に5つもありました!)
写真を撮ってお施主様にご覧いただくと、「実際に見てみたいです!」とおっしゃって、真鶴の丁場までお越しくださいました。その時の様子がこのお写真です^^
5つほどから気に入ったもの3つに絞り、その3つと1時間ほどにらめっこの後、じっくりお考えになって決まりました。決まった石をさっそく吊り上げて工場に持ち帰ります。
こちらは、お墓の台座になる台石です。お選びになった石に合わせて私が探しました。候補となる石があまりない中、選ばれた竿石にぴったりのものがありましたので、「これなら絶対に大丈夫です!」と自信を持っておすすめして採用していただけました。
こちらは最終的に決定した図面です。今回のお施主様の最大のご希望は、「背の高いお墓」ということでした。ですが霊園ではお墓の高さの決まりもあるため、納骨室の位置をあえて通常より下げて、そのご希望を叶えられるように工夫しました。ほかにもお施主様のご希望を採り入れて設計し、ご納得いただいて工事に入ります!
竿石の底部を加工しています。お墓が仕上がった際の高さはもちろん重要ですが、実は角度もとても難しいところです。仕上がったとき垂直に立つのか、やや後ろに傾くのかなどで微妙に調整が必要で、自然のものを扱うならではの難しさがあります。
台石の加工をします。まずは敷地の広さに合うように、左右の余分な部分を払い出します。
※払い出し:ノミやハンマーのような道具を使用して、自然な風合いを残しつつ石を手作業ではつっていく作業
機械で穴をあけ、竿石を埋め込むための埋め込み穴を作ります。自然石のお墓では、台座にそのままボンドなどで接着するケースもありますが、今回は高さのある竿石ですので、深さのある埋め込み穴を作りました。
お墓手前の拝石です。こちらも、払い出しで自然石風の仕上げにします。
こちらは墓誌の背面です。「ビシャン仕上げ」というたたき仕上げをしています。味わいのある質感を出すことができます。
※ビシャン仕上げ:「ビシャン」という特殊なハンマーで石の表面をたたく仕上げ
墓誌の頭の部分にも払い出しをしています。お墓本体と同じく、自然石のような仕上がりになります。
竿石の彫刻です。正面文字は、お施主様がご希望された英文で、文字もお施主様がご用意くださいました。
文字の彫刻をしています。今回は竿石のサイズがとても大きいため、工場内にある字彫りの部屋では彫刻ができません^^; 現場で作業する際の屋外用の彫刻機を使って彫刻しました。
こちらは現場の工事の様子です。基礎工事のため地面を掘り下げています。
地盤をしっかり固めてから木枠を組んで配筋し、コンクリートを流し込みました。しばらく養生して基礎が完成します。
10日以上養生して基礎が完成したら、外柵の据え付けを始めます。こちらはお墓の奥の外柵の石を据えているところです。周囲のお墓とくっつかないよう隙間を開けて、水平などにも注意しながら据えていきます。
外柵の据え付けが進みました。印は耐震金具です。ここはこのあとコンクリートを入れますので完成すると見えなくなる部分ですが、石と石が開いたりしないようにしっかりと留めています。
納骨室と外柵が完成しました! 分かりにくいかもしれませんが、実はとても手間暇のかかっている外柵です^^
台石の設置をしています。工場で寸法通りにきっちり加工していたのでぴったりです。クレーンで吊り上げて据え付けます。
今回は、竿石だけで1トンの重さがありました!!
ラフターという大きなクレーン車で吊り上げて、竿石を設置します。
完成しました!!
お施主様曰く、「パワーを感じるお墓」に仕上がりました!
高さも幅もあり、自然石の力強さが感じられます。多磨霊園の約2㎡のお墓の中でも、できうる限り高さを出した、ひときわ存在感のあるお墓になりました。
香炉もこだわりのものです。15種類ほどの図面の中から選んでいただいたデザインで、たたき仕上げでお作りしました。柔らかい温かみのある雰囲気に仕上がりました。その下の拝石も払い出し加工で、自然石のお墓にぴったりです。
外柵はお施主様のご希望で、左右と後方の外柵石、手前の踏み込み部分など、すべて「ビシャン仕上げ」です。先ほど墓誌の背面の加工をしていた写真(左)のように、手作業での加工なので、とても手間暇のかかる作業です。角の部分だけ、強度を保つためにサンダー加工(ビシャンより細かい目で仕上がる加工)で縁取りをしています。
墓誌は、自然石風のデザインです。外柵にはめ込むような形なので、お参りのスペースを広く確保できます。背面は自然石風に、表面は磨いて仕上げました。お施主様からは、表面も竿石のように自然風に仕上げられない?とご提案があったのですが、そうすると墓誌への彫刻の難易度が高くなり、彫刻費も高価になってしまいます。将来的にお施主様のためになることを考えてご説明した上で、この部分は磨き仕上げとさせていただきました。結果的には、自然風の部分とのコントラストができて、小松石らしさもあり、とてもいい雰囲気に仕上がっていると思います^^
初めのご連絡から1年以上をかけて、無事に完成し、ご納骨も終わりました。お施主様からは、
というお言葉をメールでいただきました。ありがとうございます!^^ 色々とご要望をいただいたので、私どもが大変だったのでは…とお気遣いもいただきましたが、とんでもありません! 意欲的にお墓造りに取り組んでおられるお施主様のお気持ちに負けないように、私たちも心を込めて精一杯務めさせていただき、たくさんの刺激をいただくことができました。本当にありがとうございました。理想のお墓造りを支える、ご満足いただけるお手伝いができておりましたら幸いです。
自然石のお墓を求められる方は近年増えていて、お声かけ頂く機会も増えました。遠くの他府県からわざわざお越しくださる方もいらっしゃいます。自然石のお墓は、自然の石を使用していることから、大きさや形など、全く理想通りのものを作るのはまず難しいものです。石との出会いも言ってみれば一期一会です。さらに、通常のお墓よりももっとご説明の難しいところもあるので、私の方も毎回頭を悩ませて試行錯誤しています^^; ですが完成した「世界にひとつのお墓」をご覧になったお客様のリアクションは圧倒的で、私自身もそうした反応を見ると大きな喜びを感じますし、「ご一緒に理想のお墓を造ることができた!」という実感があります。
これからも、お客様のご希望をくみ取って形にしてご提案したり、時には今回のように実際に石を見に来ていただいたり、様々なアプローチで理想のお墓作りのお手伝いができるように、できる限りのお手伝いをさせていただきたいと思います。
最後までお読みいただき有難う御座いました。
有限会社菅井石材
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有)菅井石材 担当:菅井(すがい)
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